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二輪車市場の活性化に向け 若者と新規のユーザー獲得がカギ

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●国内二輪車市場には、若者や女性による新規需要の拡大が必要。

●大学や高校で行われている画期的なバイクイベントを見た。

●女性のバイク需要動向にも注目していきたい。

大学キャンパスで開かれたプチ・バイクフェス

2016年9月22日、群馬県桐生市にある国立群馬大学のキャンパスで、「群馬大学モーターサイクルカレッジ」が開催された。これは群馬大学バイク部と、株式会社ホンダモーターサイクルジャパン(HMJ)との共催で開かれた催し。バイク好きの学生が多数来場し、キャンパス内でちょっとしたバイクフェスティバルが実現した。

午前中に開かれたディスカッション

午前中に開かれたディスカッション

午前中は、二輪車の製造技術に関するディスカッション。同大学院理工学府の教授と株式会社本田技研研究所 二輪R&Dセンターの上席研究員、さらにバイク部の学生も加わり、二輪車開発の将来について語りあった。

学生と交流を図る小川選手

学生と交流を図る小川選手

午後になると、キャンパス内にトライアルの“特設競技場”が出現。全日本選手権チャンピオンの小川友幸選手が登場し、バイクの超絶テクニックを披露した。トライアルの実演を初めて見る学生も多く、「トリハダが立ちました。人間の能力ってスゴイ」、「ウィリーってどうやるの?」と、興奮気味。バイクがアクションを起こすたびに、どよめきと拍手が沸き起こっていた。

ライディング講習会

ライディング講習会

キャンパス試乗会

キャンパス試乗会

ほかにも、「ライディング講習会」や「キャンパス試乗会」も開催。学生たちは、いろいろな角度からイベントを楽しんでいた。バイク部の学生は、「キャンパス内でバイクイベントができるなんて画期的です。乗らない学生たちにもバイクのよさがアピールできたと思います」と、満足そう。同部の顧問は、「トライアルはかなりインパクトがありましたね。安全啓発の面でも納得のいく内容でした。今後、学生が中心になって運営できれば、ますます有意義な催しになるのでは」と話していた。

高校の文化祭でオフロードバイク教室

10月1日、千葉県横芝光町にある私立横芝敬愛高等学校で、秋の文化祭が行われていた。校門をくぐると、「え? ホント?」という光景が目に飛び込んできた。校舎の正面に、最新モデルのスクーターやスポーツバイクが、地元の二輪車販売店の協力でズラリ展示されていたのだ。

校舎の前にバイク展示

校舎の前にバイク展示

通りかかった生徒たちは、「これがいい、あれがいい」と、1台1台眺めたり跨ってみたり。話を聞くと、「自分たちの学校はバイクもクルマもオッケーなんです。周りの学校は禁止なんで、ちょっと自慢なんですよ」と説明してくれた。

生徒たちに大人気

生徒たちに大人気

校庭では、地元のバイクインストラクターが協力し、「オフロードバイク教室」を開催。希望する生徒に正しい運転の仕方と安全確認の大切さを指導していた。じつはこの学校、2015年1月にバイクの「三ない運動」をやめ、生徒の二輪免許取得とバイク通学を認めて、安全教育を充実させる方針に転換。校内でのバイクイベントは、交通教育の一環として行われたものだ。

校庭でオフロードバイク教室

校庭でオフロードバイク教室

校長は、「バイクもクルマも移動の道具ですから、扱い方を学んで、安全に使いこなせることが大切。道具を使わせないのでなく、正しく使える人材を育てるのが教育です」と話している。

10代女子の免許取得増に注目!

二輪車市場にとって、新規ユーザーとして期待できる潜在層には“女性”の存在もある。女性の間でバイクブームがブレイクすれば、需要拡大のノビシロは男性より大きい可能性があるからだ。
ブームの兆候はミドルエイジから始まっており、女性の40代以降は普通二輪免許の取得者が急増している(2001年と2015年を比較すると約4倍に増加)。ボリュームゾーンの20~30代にも需要拡大のきっかけが欲しいところだが、ここで注目したいのはさらに若い“10代女子”。

普通二輪免許女性40歳以上

普通二輪免許女性10代
その普通二輪免許取得者は、男性のようには減少しておらず、2001年の実績と比べれば2015年は約126%に伸びている。いわば“根強いバイク人気”が起きている。またボリュームは小さいものの、10代女子の大型二輪免許取得は増加傾向が明らかだ。

大型二輪免許女性10代
若い女性たちはいま何がきっかけでバイクの世界にエントリーしてくるのか、2人のユーザーに話を聞いてみた。

■発端は両親の二輪免許取得

大阪府堺市の女子高校生Yさん(17歳)は、4年前に両親が二輪免許を取得したのをきっかけにバイクに憧れるようになり、2015年7月に普通二輪免許を取得した。教習所には15歳のうちから入校し、16歳の誕生日を待ってすぐに運転免許試験を受けたという。

愛車にまたがるYさん

愛車にまたがるYさん

「中学2年のとき、お父さんのバイクの後ろに乗せてもらって、風を受ける感じが気持ちよくて、『バイクっていいなあ』ってずっと思ってました」と話す。「免許を取りたい」と打ち明けると、両親は「おー、がんばって」と応援してくれたという。2016年の夏には母親と一緒に、大人のバイク仲間に交じって九州ツーリングを敢行。「オジサンたちからすごくアドバイスされて、かわいがってもらいました。バイクに乗るだけで大人とコミュニケーションできるのがスゴイです」と、嬉しそう。
周りの同世代については、「みんな好奇心があって、バイクやクルマでいろんなところに行ってみたいハズです。私みたいに『免許を取りたい』と思うかどうかは、何かきっかけがあるかないかの違いだけだと思います」と話した。

■10代で決心、20歳を機に免許取得

群馬県高崎市の会社員Uさん(21歳)も、やはり両親が大のバイク好き。高校生のときは父親の後ろに乗ってツーリングを楽しんだり、毎年、家族ぐるみでMotoGP観戦に出かけるなど、卒業後はバイクに乗るのが当たり前だと考えていた。

バイクは”相棒”Uさん

バイクは”相棒”Uさん

「ところが二輪免許を取ろうとしたら、両親から『自立するまではダメ』と反対されてショックでした」と話す。就職して20歳になったのを機に、両親を説得して念願の普通二輪免許を手に入れた。結局、娘と一緒にツーリングしたいらしく、父親があっさり許してくれたという。
最初に選んだバイクは、新型のスポーツネイキッド。自分でローンを組んで購入した初めての愛車だけに、納車されたときには喜びもひとしおだった。「こんなに素敵なバイクが自分のものになったなんて信じられない気分でした。機械というより、もっと大切な“相棒”ができたみたい」とのこと。
最近、友だちから「私も免許を取りたい」と相談されることが多い。「バイクに乗ろうという気持ちって、伝染するんですね。私にとって両親がそうだったように、身近な人から受ける影響は大きいと思います」と話していた。

女性のバイク利用増でバイク文化の発展も

今回登場した2人の女性ユーザーの場合、二輪免許取得への動機は親からの影響が大きかった。この十年来、男女とも40代以上のバイクブームが続いているが、その子供たちが、親の理解とサポートのもと新規ユーザーとしてエントリーしてくるケースが増えていると考えられる。
ただ、10代男子の免許取得にはそうした傾向が見られないため、10代女子特有の現象だ。また、2人のケースとも、家族ぐるみでバイクを楽しむという幸せな家庭環境のなかから新しいバイク需要が生まれており、こうした需要を大事に伸ばしていくことは、バイク文化の発展にとっても大いに価値がある。
“若者”と“女性”のバイク需要をこれからいかに伸ばしていくか、今後の国内二輪車市場にとって大きなテーマになりそうだ。

JAMA「Motorcycle Information」2016年12月号特集より
本内容をPDFでもご確認いただけます。
PDF: 若者と新規


第5回バイクラブフォーラム開催決定のお知らせ

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第5回目となるバイクラブフォーラム(BLF)の開催が正式決定致しました。

【第5回バイクラブフォーラム(BLF)in群馬・前橋】
開催日:2017年9月16日(土)
開催地:群馬県前橋市 前橋テルサ

詳細については、随時ホームページで更新していきます。続報をお待ちください!

安心してバイクに向き合える! 女性に優しい二輪車教習所

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●女性ライダーの割合は男性に比べてまだまだ少ない。

●運転への苦手意識が女性をバイクから遠ざけている。

●女性に優しいと評判の二輪車教習所を訪ねてみた。

女性ライダーを応援します!――伏見デルタ

京都市伏見区にある「伏見デルタ」は、二輪専門の教習所。2月の平日に訪ねてみると、コース上には多くの教習生がいた。何人か女性の姿もある。総務部長は「ピークは3月。今日はまだ少ないほう。遠い他県からもやって来て、合宿で免許を取る学生さんもおられます」という。京都を観光しながら免許を取得できるとあって、北海道から沖縄まで、教習生は全国から集まるそうだ。

学生の教習生が多い(伏見デルタ)

学生の教習生が多い(伏見デルタ)

同校における女性の教習生の割合は約1割。「女性は20~30代が中心ですが、最近は親の勧めで入校する10代の女性が増えています。原付に乗りたい女子高生が、親から『ちゃんと習って自動二輪に乗りなさい』と言われて小型限定を取りに来たりします」という。

伏見デルタのWebサイト

伏見デルタのWebサイト

この日教習を受けていた女性に、教習の感想を尋ねると、「運転することに自信がなかったので初めは勇気がいりましたが、教官が優しく接してくれるのでがんばっています」と話す。
同校のWebサイトには、「女性ライダーを応援します!」というコーナーがあって、女性たちの教習シーンを紹介した動画が30本以上アップされている。「動画を見て、あの雰囲気なら大丈夫そうと思った」という教習生もいて、入校の後押しになっているという。

不安解消は「第1段階」がカギ――狭山モータースクール

埼玉県狭山市にある「狭山モータースクール」は、卒業してからも参加できる「二輪道場」や「ペーパーライダースクール」といった講習会を実施したり、「ツーリングクラブ狭山」を作って卒業生を集めてツーリングも楽しんでいる。免許を取得したら終わりでなく、取得後のアフターフォローに力を入れることで、“安心してバイクを楽しめる教習所”という特色を打ち出している。

マンツーマンで指導も選べる

マンツーマンで指導も選べる

同校では、「バイクに乗れるか心配」という女性のために「レディースコース」という教習プランを用意している。これは、教習の「第1段階」をインストラクターにマンツーマンで指導してもらえる。また、女性専用車両が使用できるという特典も付いている。
フロントサービス統括部の担当者は、「多くの女性は、運転操作や車両の取り回しを習う“第一段階”を苦手にします。そこを1対1で丁寧に教えるので、自信のない女性も安心してバイクに向き合うことができると思います」という。
この日、大型二輪の教習を受けていた女性は、「普通二輪免許を取りに来たとき、初めはバイクが怖くてドキドキしたのを覚えています。でも実際通ってみたら教習は楽しくて、最初の不安は無用でしたね」と話し、いまは余裕しゃくしゃくの様子だった。

体格や力の弱さは克服できる―阪神ライディングスクール

兵庫県尼崎市にある「阪神ライディングスクール」は、誰もが安全に教習できる」をモットーにする二輪専門の教習所。教習プランに“レディースパック”を設けたり、低シート車を導入したり、女性専用の休憩室を用意するなど、きめ細かな配慮をしている。入校者の約3割は女性だという。卒業した女性から、新しくバイクに乗りたいという女性へと、口コミで信頼感が広まっている。
同校の女性インストラクターは、「男性に比べて、女性は体格が小さくて力が弱いですから、バイクに跨ったときに足着きが不安という人、倒れたバイクを起こせないという人が大勢います。でも、コツを覚えて慣れてしまえば、ほとんどの人が大丈夫」という。

この足着きでも慣れれば問題ない

この足着きでも慣れれば問題ない

そこで、身長147cmのインストラクターに、低シートにした女性用の教習車に跨ってもらった。「私でも両足がなんとか着くし、片足さえうまく着けるようになれば問題ありません」とのこと。また、倒したバイクを起こしてもらったが、たいした力もかけずに難なく持ち上げた。「小さな体格でもインストラクターをやれるんですから、私を見て励みになる方もいるようです」と、話してくれた。

倒れたバイクも……

倒れたバイクも……

体格や腕力に不安があって、教習所の門をくぐる決心がつかない女性は少なくない。しかし、ここで紹介している二輪教習所では、入校する前に教習車に跨ってみたり、倒れたバイクを起こしてみるなど、事前の体験は大歓迎という。心配な人は、ぜひ相談してほしいということだ。

コツがわかれば簡単に持ち上がる

コツがわかれば簡単に持ち上がる

女性限定の合宿免許が大好評――大佐和自動車教習所

千葉県富津市にある大佐和自動車教習所では、女性限定の合宿免許を行っており、県内以外にも首都圏から大勢の教習生が集まってくる。女性に限定していることで、女子高生や女子大生本人にはもちろん、親が安心して娘を送り出せるということで人気があるわけだ。

女性限定で安心の合宿免許

女性限定で安心の合宿免許

教習所が運営している宿舎は3棟に各14部屋あり、2人ずつ入居できるため、最大で84人が合宿可能。ハイシーズンには近隣の民宿も女性専用で借り切り、20人程度は追加で受け入れが可能という。

女性のニーズに合わせた宿舎

女性のニーズに合わせた宿舎

同校では、「春は四輪免許のために合宿する学生でいっぱいですが、シーズンが落ち着けば、バイクの免許を取りたい女性たちに、合宿免許は快適だと思います。お母さんと娘さんとか、友だち同士とか、一緒に合宿して二輪教習を受ければ楽しいと思います」という。二輪免許を取得するのを一つの“レジャー”と捉えれば、房総の海に滞在してリゾート気分で教習をこなすという選択肢は、大いにありだ。

女性の普通二輪免許取得状況

●女性の普通二輪免許取得者の推移

※警察庁「運転免許統計」より免許交付件数(新規免許と併記免許の合計、失効新規を含む)

※警察庁「運転免許統計」より 免許交付件数(新規免許と併記免許の合計、失効新規を含む)

最後に、警察庁の『運転免許統計』(現在の最新は2015年の数字)をもとに、女性の二輪免許取得状況についてみてみたい。
2015年1年間のわが国の普通二輪免許の交付件数は男女合わせて17万6,076件。このうち女性への交付件数は2万7,030件で、全体に占める割合は15.4%となっている。
二輪免許を取得する女性の割合は明らかに少ないが、言い換えれば、今後の“ノビシロ”は大きいともいえる。女性ライダーの拡大はこれからだ。

★JAMA「Motorcycle Information」2017年3月号特集より
本内容をPDFでもご確認いただけます。
PDF: 女性と二輪車教習所

バイク・編み物・被災地への思い 日本を走るドイツ人ライダーの話

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●日本でバイクに乗っている外国人を見かけることはめったにない。

●ケストラーさんは、日本在住のバイク大好きドイツ人。

●ツーリングの休憩中にタンクバックから取り出したのは……。

ツーリング先で外国人のライダーに出会うと、(どこの国の人だろう?)、(日本を旅行中なのかな?)などと、つい気になってチラチラ見てしまう。ベルンド・ケストラー(Bernd Kestler)さん(52歳)は、そんな好奇の目にはとっくに慣れっこだ。日本中を走っているという彼は、いったい何者なのか。

タンクバックから取り出したのは……

愛車はホンダのCB1000。走行距離メーターはもうじき10万kmに達するが、「まだまだ走れるよ。これは本当にいいバイク」と、まるでわが子を見るよう。故郷のドイツから日本にやってきて20年。現在、横浜市で1人住まいしている。
「私はツーリングが大好き。長い距離を走ったら、パーキングエリアで休憩します。そして、タンクバックから編み物を出して編むんです。靴下とかね。そうするとすっごいリラックスする。そしてまた走る。編むのが好きだから、いつでもどこでも編んでる。本当に楽しい」

大柄なケストラーさんにはビッグバイクがバッチリ似合う

大柄なケストラーさんにはビッグバイクがバッチリ似合う

じつはケストラーさん、手芸の世界では有名な編み物作家(ニット作家)だ。地元で編み物教室を開いているほか、テレビの手芸番組や本の出版、編み物キットの企画販売など、ひっぱりだこの人気という。
日本でツーリングしているドイツ人というだけで珍しいのに、ライディングウエアのまま始める優雅な編み物に、居合わせた人たちは興味津々。「一緒に記念撮影してください」と、お願いされることも多いとか。周りが驚けば驚くほど、本人も愉快なのだ。

タンクバックから取り出したのは”編み物”だ…

タンクバックから取り出したのは”編み物”だ…

ツーリングはインスピレーションの宝庫

「手袋、靴下、帽子とか身近な物を編むのにも、無限のアイデアがあります。素材もいろいろあるし、どの部分から編み始めるか、どんなパターンを使うか、やり方はいっぱい。頭のなかにイメージした作品をどうやって編めばできるか考えるのが難しくて、面白い。数学の問題やパズルを解くのと似ています」という。
仕事部屋には極細の毛糸から極太のウール紐までさまざまな素材が用意され、編み上げたニットをノリで固めてオブジェにするなど、アーティスティックな作品も置かれている。

ケストラーさんが編んだショール 左下の球体は毛糸で編んだランプシェード

ケストラーさんが編んだショール 左下の球体は毛糸で編んだランプシェード

「私が日本に来たのは、この国の自然や古い文化、日本人の考え方が大好きだからです。そして日本中を見て回るためのベストパフォーマンスな乗り物として、私はバイクを選びました」と、ケストラーさんは話す。
来日した翌年、日本で二輪免許を取得。毎月のように長距離ツーリングに出かけている。「能登半島、東北、伊豆、広島、四国、全部バイクで行った。屋久島も佐渡ヶ島も素晴らしかった。日本はバイクのパラダイスです」と、満足そう。地方にある美術館や博物館を巡るのが好きで、その数の多さと展示の質の高さに驚くという。
「桜や梅、紅葉を見てもインスピレーションが湧きます。日本の伝統工芸ももっと見たい。着物の柄がすごい刺激になる」と話す。バイクを走らせて体感する日本の自然や、旅先で触れた文化への感動が、ケストラーさんの創作意欲を強烈に駆り立てるのだ。

1本の毛糸で編む。途中で色が変わることも計算してデザインする。

1本の毛糸で編む。途中で色が変わることも計算してデザインする。

被災地への思い「ニット フォー ジャパン」

ケストラーさんがこれまでのツーリングを振り返って、忘れられない景色の一つが松島(宮城県)の風景だ。彼の故郷の町には海がないから、日本の海岸線を走ると気持ちが高まる。かつて東北を旅したとき、リアス海岸の切れ目から松島の島々が垣間見え、その美しさに息をのんだ。
「東日本大震災の津波はショックでした。松島、福島……、バイクで通った記憶が蘇りました。自分に何かできないかと考えました」
そして、準備を重ねて震災の翌年(2012年)に始めたのが「ニット フォー ジャパン」という取り組み。被災地を勇気づけるため、“世界最大の毛布を編もう”というチャレンジ・プロジェクトだ。ケストラーさんは「20cm×20cmの四角いニットのピースを編んで、日本に送ってほしい」と、インターネットで世界へ呼びかけた。集まったピースを全部つないで、一枚の巨大なニット毛布を作ろうというわけだ。すると、いろいろな国の人たちが、思い思いに四角いピースを編んで続々と送り届けてくれた。プロジェクトは2年間続けて、集まったピースの数は予想を遥かに上回る1万1,250枚にもなった。
2014年9月20日、宮城県石巻市の総合体育館で、ピースを一つにつなぎ合わせる作業を開始。被災者も含め多くの地元住民が参加して、体育館のフロアいっぱいに広がるニット毛布が完成した。大きさは464.64m2(20m×23m)と認定され、世界最大のニット毛布としてギネスブックに登録されたという。

地元の人と協力して完成させた世界最大のニット毛布(2014年石巻市総合体育館)

地元の人と協力して完成させた世界最大のニット毛布(2014年石巻市総合体育館)

参加した地元の人たちは、「みんなで力を合わせることが楽しかった」、「編み物をしている間は辛いことを忘れられた」、「誰かのために行動できて嬉しかった」と、感想を口にした。ケストラーさんは、「記録のことよりその言葉がうれしかった。毛糸と針があれば誰にでも幸せな時間が作れます。編み物は魔法ですね」と話す。世界最大のニット毛布は、2m×1mのサイズに分けられ、仮設住宅の人たちにプレゼントされた。

バイク・ソッキングを広めたい

編み物をする男性は、ドイツでも多いわけではないが、ヨーロッパの歴史では“編み物職人”が男性だけだった時代も長いとのこと。現代の男性にももっと編み物の楽しさが理解されていいはずと、ケストラーさんは言う。
「私のちょっとした夢は、日本のいろいろな地方を回りながら編み物教室をやること。道の駅やパーキングエリアで教えてもいい。編み物の先生がバイクでやって来たらきっとみんな驚くよ。想像するだけで楽しい」とのこと。ドイツでは、旅行する列車のなかで編み物を楽しむ“トレイン・ソッキング(電車で靴下を編む)”に人気があるそうだが、ケストラーさんの場合は、“バイク・ソッキング”。「日本のライダーに、ぜひバイク・ソッキング、広めたいね」と、にっこり笑っていた。

★JAMA「Motorcycle Information」2017年3月号特集より
本内容をPDFでもご確認いただけます。

PDF: ベルンド・ケストラー

輝け! 女子高生・中学生ライダー バイクレースに挑む期待の原石

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●バイクレース界で10代の女子ライダーが頑張っている。

●「JP250」クラスでは女子高生ライダーが奮闘!

●レースに挑む女子高生3人、中学生1人に話を聞いた。

サーキットで存在感がキラリ!女子中高生ライダー

サーキットで存在感がキラリ!女子中高生ライダー

女子高生ライダーが続々参戦「JP250」

2017年4月、茨城県・筑波サーキット。ロードレース「MFJカップJP250」の第1戦決勝には30台のバイクが並んだ。出場ライダーの年齢は15歳から52歳と幅広く、このなかに3人の女子高生が出場している。レースが始まってしまえば年齢も性別も関係ない。「速い者が勝つ」、遠慮のない世界だ。

MFJカップ JP250 第1戦の模様

MFJカップ JP250 第1戦の模様

この日は、ウェットコンディションで、レース開始直後に1コーナーで2台が転倒する波乱の展開。レース中もリタイアが続出し、女子高生ライダー3人が健在か、順位がどこか気になったが、無事に最後まで攻めきった。橋本翼(はしもとつばさ・17歳)が13位、石井千優(いしいちひろ・17歳)が15位、中原美海(なかはら・みう15歳)が22位という結果。どの選手にとっても、次につながるレースだったに違いない。この3人のレースにかける意気込みを聞いた。

いつか海外のレースで戦ってみたい――中原美海(高校1年・15歳)

高校1年生の中原は、小学5年生でポケバイを始め、中学1年でMFJレディースロードレースに出場し、第2戦で初優勝、年間ランキングは3位に入った。恥ずかしがり屋で、激しいバイクレースとあまりにギャップがある。華奢な体格がなおさらそう見せる。
「でも私、体力には自信があるんです。去年6時間の耐久レースに出て、暑い中5時間くらい走りました。辛いとかはなくて、楽しかったです。」とサラッとすごいことをいう。
中学2年で250ccにステップアップし、中学3年だった昨シーズンは、3月から8月まで毎週のようにレースで実戦経験を積んだ。「今年はMFJカップJP250を中心に出場するので、まずは全戦予選を通過したいですね。順位についてはそれから考えます。将来的には1度でいいから海外のレースを走りたいと思ってます」と照れくさそう。見かけによらず芯は強い、注目のルーキーだ。

中原 美海

中原 美海

JP250 第1戦は最年少出場となった中原

JP250 第1戦は最年少出場となった中原

すべての生活はバイクレースのため――橋本翼(高校3年・17歳)

「何をするにも頭に浮かぶのはバイクのこと。すべてバイクレースを中心に考えています」と話す橋本。親の影響でなく、自分からせがんで幼いうちにポケバイを始めた。中学2年からロードレースを開始すると、初年度でいきなりMFJレディースロードレースのチャンピオンに。高校2年からはMFJカップJP250に出場している。「JP250はマシンを走らせる技術も大事だけれど、気合だけでどうにかなるものじゃないですね。マシンづくりも含めて学べることはどんどん吸収していきたい」という。
昨シーズンはセカンドグループ内で競り負けることが多かった橋本だが、今シーズンは積極的に前に出るレースを心がける。「しっかり集中して、まずはトップ5を目指します」と、具体的な目標を掲げている。いまいちばん成長が楽しみな女子ライダーだ。

橋本 翼

橋本 翼

第1戦の結果には満足していない

第1戦の結果には満足していない

国際ライセンス取得に意欲――石井千優(高校3年・17歳)

高校3年の石井は、「もちろんレースは勝つためにやっているわけですが、私にとってレース活動は“人間的な積み重ね”であって、自分が成長していくための大事なもの。バイク以外のことにもつながると信じています」という。
石井がバイクレースに取り組むようになったのは、実家が営むスポーツ施設にミニサーキットがあり、幼いころからポケバイに親しんできたからだ。中学3年からは本格的に250ccクラスにステップアップし、高校2年の昨シーズンは、筑波ロードレースのJP250クラスで好成績を残している。今シーズンは、同じく筑波やもてぎの地方選手権に出場しながら、MFJカップにも臨んでいきたい考えだ。
「今年はポイントを重ねて、国際ライセンスを取得するのが目標。国際ライセンスを取って、ポケバイのアドバイザーとして両親の仕事を手伝いたい」と、石井。両親をはじめ、チームでお世話になっている人たちへの“恩返し”に、高校を卒業したらモータースポーツの楽しさを伝える仕事に就きたいと話す。大いに活躍を期待したいライダーだ。

石井 千優

石井 千優

ピンク色のカラーリングが美しい石井のマシン

ピンク色のカラーリングが美しい石井のマシン

若手を育てるMFJロードレースアカデミー

男女限らず、近年、若手のライダーが台頭してきた背景には、一般社団法人日本モーターサイクルスポーツ協会(MFJ)が行っている「ロードレースアカデミー」といった取り組みがある。これは2006年にスタートしたレーシングライダーの養成講座で、12歳から18歳の若者を対象に、ロードレースの基礎から実戦までのテクニックやマナーを学ぶプログラムだ。

若手を育成する「MFJロードレースアカデミー」

若手を育成する「MFJロードレースアカデミー」

1年間を通じたカリキュラムには、例年10人程度の入校生があり、同時に開催される「1dayスクール」には、年齢を問わずレース上達を目指す意欲的なライダーが参加。いずれのコースも、有名なレーシングライダーに直接手ほどきを受けて、効果的に腕を磨いている。

レディースロードレース2連覇を狙う――藤原毬花(中学2年・13歳)

中学2年の女子、藤原毬花は、父に勧められて小学生のうちはポケバイに親しんできた。中学生からは「MFJロードレースアカデミー」入校。今年はアカデミーで学びながら、もてぎロードレース選手権(地方選手権)のST150クラス(全4戦・レディースクラス併催)に出場中だ。
アカデミーの講習について藤原は、「ブレーキングなどの基本的な技術を一から教えてもらえます。“安全に速く走る”にはどうするか、そこがいちばん勉強になっています」と話す。
昨年は、MFJレディースロードレースに初めて出場し、12歳という最年少記録で年間チャンピオンになった。これについて藤原は、「じつは一度も1位を取っていないのでとても悔しい! でも、着実にポイントを重ねることがとても大事なんだと実感できました」と振り返る。今シーズンは、優勝込みでのレディースクラス2連覇を狙うという。

藤原 毬花

藤原 毬花

ST150クラスは150ccの軽量なマシンで競う

ST150クラスは150ccの軽量なマシンで競う

女子ライダーも世界に羽ばたくチャンス十分

MFJロードレースアカデミーの校長を務める元・世界ロードレース選手権(WGP)チャンピオンの坂田和人さんに話を聞いた。
「アカデミーに参加してくる若者たちは、ゆくゆくは世界を目指そうというような真剣な気持ちのライダーばかりです。私たち講師陣もそのつもりで教えているし、女性だから男性だからという境目は設けていません。女の子も何人か参加していますが、才能もあるし、全日本はもちろん世界選手権に出て行くことも可能だと思います」と話す。
女子ライダーの台頭について、MFJ事務局長の隠岐直廣さんは、「JP250は、マシン調達など資金面でのハードルが低いため、若いライダーでも参入しやすいクラスです。新しくできたばかりのカテゴリーですが、このクラスを目指して女性にもロードレースへの関心が広まっているとしたらとても喜ばしいことです」と話している。
若い女子ライダーの活躍は話題性としても大きいことから、MFJは昨年から女性ライダーを応援するための専門Webサイト「MOTO LADIES」を開設し、積極的な情報発信にも努めている。

■MOTO LADIES : http://www.motoladies.jp/

★JAMA「Motorcycle Information」2017年5月号特集より
本内容をPDFでもご確認いただけます。
PDF: 女子ライダー

首都圏ツーリングプランスタート!

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7/14よりNEXCO東日本、NEXCO中日本が、首都圏ツーリングプランをスタートします。
このプランは、ツーリング需要を喚起することにより、首都圏一円に広がる観光地やツーリングスポット の活性化、高速道路の利用促進を図る目的で実施するもので、対象となる高速道路が定額(最大2日間)で 利用出来るプランです。
首都圏を4エリアに分け、エリア内の高速道路が2日間定額2,500円で乗り放題になる大変お得な二輪車向けのサービスです。この機会に首都圏のツーリングスポットに出かけてみてはいかがでしょうか?
割引サービスの利用には、事前の申し込みが必要です。(ETC搭載車限定)

申し込みは下記高速道路会社のホームページへ

NEXCO東日本
■関越道・上信越道・東北道コース
■東北道・常磐道コース
■東関東道・館山道コース
※希望エリアを選択し、利用日を決めてください。申し込みにはETCカード情報と二輪車のナンバープレート情報が必要となります。

NEXCO東日本の3コースへの申し込みはこちらから

 

NEXCO中日本
■東名・中央道コース
※利用日を決めてください。申し込みには速旅会員登録とETCカード情報・二輪車のナンバープレート情報が必要となります。

NEXCO中日本への申し込みはこちらから

 

日本航空高等学校石川 「モーターサイクル部」で学ぶこと

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●同校には全国でも珍しい「モーターサイクル部」がある。

●スポーツとしてのバイクに、生徒は思う存分親しんでいる。

●授業では得られない大切なものを学んでいる。

能登空港に隣接した私立高校

石川県の能登半島。輪島市の南東に能登空港があり、日本航空高等学校石川は、まさにその空港に接して設置されている。
名称の通り同校は「航空科」に特化した私立高校だ。能登空港キャンパスでは、パイロットやキャビンアテンダント、航空整備士など、航空業界での仕事を目指す若者たちが学んでいる。空の仕事に憧れる若者に人気があり、毎年、日本全国から入学希望者が集まるほか、海外からも多くの留学生がやってくる。
親元を離れて暮らす生徒が多いため寄宿舎などの寮施設が完備。多くの時間を学校と寮で過ごすため、クラブ活動が盛んだ。現在、同校では運動部と文化部を合わせて23のクラブが運営されており、そのなかの一つに「モーターサイクル部」(部員数31人)がある。

日本航空高等学校石川 モーターサイクル部

日本航空高等学校石川 モーターサイクル部

モーターサイクル部でトライアル!

今年5月5日~7日までの3日間、モーターサイクル部の集中トレーニングがあった。学校から東に20kmほど離れた場所に、建設会社の跡地を利用したトライアル場があり、そこを借りてライディングの特訓を行うという。
敷地には丸太や土管、岩、コンクリートなどを組み合わせた“セクション”が設けてある。顧問の先生の指示で、生徒たちは1人ずつ順番にセクションに挑む。前輪を浮かせて丸太を乗り越え、狭いスペースでマシンを方向転換し、コンクリートの障害物によじ登り、岩場を越えてゴールする。何度も繰り返しトライするが、丸太にマシンの腹が乗っかって立ち往生したり、バランスを崩して転倒する生徒もいる。副顧問の先生がマインダー(補助役)をして、危ないときは支えているものの、擦り傷や打ち身などのケガは日常茶飯事だ。

トライアルの技をトレーニングする生徒

トライアルの技をトレーニングする生徒

同クラブ顧問の先生は、トライアルの国際B級ライセンスを持ち、かつては全日本選手権に出場していた経歴もある。クラブの顧問を引き受けてかれこれ12年になるという。「なにしろ航空機を扱う生徒たちですから、バイクは“危ないから触らせない”なんて言えません。むしろ積極的に触って、乗って、どう扱えば安全か、いかに整備が大切か、身をもって知ることが大切」と話す。
クラブが所有するトライアル車は、現在、12~13台あるが、顧問のトライアル仲間が寄贈してくれたもの。「北陸のトライアル仲間のお陰で順調にやっています。こういう地域協力の大切さも、生徒たちに伝われば嬉しい」と話し、顧問はこのクラブのことが誇らしそう。

生徒たちの成長が頼もしい

トレーニングを見ていると、だんだん生徒たちの技量がわかってくる。すんなり障害物をクリアする生徒もいれば、苦手な場所に何度もトライする生徒、難しい障害物は回避する生徒もいる。セクションをどう攻略するか、自分の技量に合ったライン(走る部分)を見極め、あくまで自主的にトレーニングしている。生徒たちは、このクラブ活動にどんな魅力を感じているのだろうか。

自分の技量に合わせて自主的にトレーニングする

自分の技量に合わせて自主的にトレーニングする

3年生のTさん(和歌山県出身)は、救難ヘリコプターの操縦士になるのが夢。クラブでは部長を務めている。「トライアルの面白いところは、できなかったことができるようになる、その努力の結果が自分でわかるところです。大切なのは、バイクのことをけっして舐めてかからないこと。この心構えは仕事でもきっと役立つと思います。久しぶりに会った両親から、『お前、ずいぶん成長したな』と言われて、自分も少しは大人になれたのかなと思います」と、照れ臭そうに話していた。
Sさん(東京都出身)は、航空メカニックを目指す3年生。入学当初はグライダー部やヨット部にも迷ったが、モーターサイクル部なら「卒業してからも楽しめそう」と考えて入部を決めた。「それほどバイクに興味があったわけではなかったのに、トライアルを始めたら面白さにハマってしまいました。幼い頃からスポーツはいろいろやりましたが、“努力するのが楽しい”と思えるものに出合えたのは初めてです。次の技を攻略したいという気持ちが普通に出てきて、マシンの構造や整備についても興味が止まりません」という。東京に帰ると、トライアルを楽しめる場所が少ないのが残念だが、いずれバイクの免許を取得したら、ツーリングなども楽しみたいと話していた。

乗り物に対する安全意識が養われる

同クラブでは、生徒たちがトライアルの腕試しをする場として、石川県や福井県などで開かれる一般のトライアル大会に参加している。また、2016年から全日本トライアル選手権にレディースクラスが創設されたことで、昨年は同クラブからも女子生徒2人が中部トライアル選手権(レディースクラス)に出場を果たすなど、具体的な目標が見え、大きな励みになっている。

トライアル大会に出場する生徒

トライアル大会に出場する生徒

顧問の先生は、「ほとんどの生徒はバイク未経験で入部してくるので、技量はまだまだです。競技大会での成績よりも、ライディングの基礎をしっかりやって、トライアルの面白さがわかるようになるのが先ですね。生徒同士で切磋琢磨して、自分自身を高めてくれればいい」と話す。
また、副顧問の先生は、「上達してくると、マシンの整備もしっかりしてきます。1年生のうちは車両に不具合が多かったりしますが、3年生のマシンはよく整備されていてキレイです。航空機の整備を勉強している生徒たちですから、どうすれば事故を未然に防げるか、いかにルールを守ることが大切か、このクラブで学ぶことは、将来必ず役立ちます」と話していた。

バイクトライアル部

JAMA「Motorcycle Information」2017年6月号ズームアップより
本内容をPDFでもご確認いただけます。
PDF: バイクトライアル部

BLFin群馬前橋×上毛三山スタンプラリー

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9月17日のBIKE LOVE FESTAにこの台紙を印刷して会場にご持参いただければ「ぐんまちゃん」グッズ等の群馬県のノベリティグッズを差し上げます。
また来年1月末までに上毛三山のスタンプを集めると抽選でペア宿泊旅行券等の豪華賞品が当たります。
群馬県は、赤城、榛名、妙義の上毛三山がありツーリングには最適です。また東京都内の方には「首都圏ツーリングプラン」をご利用して頂きますと高速道路も往復2,500円でご利用いただけます。この機会に是非群馬県にお越しください。

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PDFはこちらから: BLFin群馬前橋×上毛三山スタンプラリー用紙


「第5回 BIKE LOVE FORUM in 群馬・前橋」を開催

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「BIKE LOVE FORUM開催実行委員会 ※注1」は、本年9月16日(土)群馬県前橋市にて、「第5回 BIKE LOVE FORUM in群馬・前橋 ※注2」を開催いたします。
群馬県は2014年交通安全条例を制定していることもあり、今後の二輪車交通安全活動のあり方、二輪車の市場活性化、地域振興との関わりなどについて議論をおこないます。

■開催概要
1 日  時:2017年9月16日(土) 13:00~17:15 (予定)
2 会  場:前橋テルサ 2階 ホール(群馬県前橋市千代田町2-5-1、TEL 027-231-3211)
3 主  催:BIKE LOVE FORUM 開催実行委員会 ※注1
4 内  容:二輪車の振興策について、取組み状況の発表や市場活性化策の議論
5 参加対象:BLF主催者、報道関係者、一般の方
・報道関係者の方は、受付を設けております。
・一般の方もご参加いただけます。(参加無料)
※会場の座席数は、数に限りがございます。予めご了承ください。

※注1 BIKE LOVE FORUM実行委員会メンバー
経済産業省、(一社)日本自動車工業会、全国オートバイ協同組合連合会、(一社)日本二輪車普及安全協会、日本自動車輸入組合、(一社)日本自動車部品工業会、(一社)日本二輪車オークション協会、(一社)全国二輪車用品連合会、(一社)中古二輪自動車流通協会、三重県、鈴鹿市、静岡県、浜松市、磐田市、熊本県、群馬県、前橋市
[後援](公財)前橋観光コンベンション協会、群馬県コンベンションビューロー

※注2  BIKE LOVE FORUM(略称;BLF)世界に通用する素晴らしいバイク文化の創造を目指すとともにバイク産業の振興、市場の発展等を図ることを目的とし、バイクに関わる企業・団体・地方自治体等が核となり、利用者等も交え、関係者間で社会におけるバイクへの認知と受容、共存のあり方や、バイクの将来像等に関して真摯に議論し活動するもの。(第1回開催:2013年9月 三重県鈴鹿市、第2回:2014年8月 静岡県浜松市、第3回:2015年9月 熊本県熊本市、第4回:2016年9月 兵庫県神戸市)

■プログラム
12時00分  開    場
13時00分  開会挨拶  (経済産業省自動車課課長、群馬県、前橋市)
13時15分  群馬県の観光について(群馬県、前橋市)
13時45分  講演会「三ない運動から群馬県交通安全条例に向けた取り組み」(群馬県議会 須藤昭男 議員)
14時15分  二輪車産業政策ロードマップの進捗状況(経済産業省自動車課)
14時35分  パネルディスカッション「高校生等に対する交通安全教育の推進」(モデレーター 日本大学 交通工学 稲垣俱志 助教)(群馬県教育委員会、群馬県警察本部、埼玉県教育委員会、横須賀二輪車安全普及協会、日本二輪車普及安全協会)
16時00分  講演会「日常の“体感”がファンを生む」(㈱リサーチ・アンド・ディベロプメント 堀好伸 氏)
17時00分  総    括  (日本自動車工業会 二輪車特別委員会委員長)
閉会挨拶  (全国オートバイ協同組合連合会会長)
※ 事前の予告なしに開催プログラムの内容や時間が変更になる場合がございますので、ご了承下さい。
※ ロードマップは、BLFの共通目標を達成するために国内外の市場毎の政策課題を整理し、課題解決のための
実行施策を取りまとめたもの。2014年5月16日に発表

■アクセス
20170721001a
前橋テルサ 2階 ホール(群馬県前橋市千代田町2-5-1)

 

高校生の原付通学と安全教育 全国トップクラスのケース

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●高校生の原付通学者の数が全国トップクラスの茨城県。

●原付の運転実技を含めた交通安全教育に取り組んでいる。

●茨城県における安全教育を例に、高校生とバイクの関係を考えた。

原付通学者の多さで全国トップクラス

一般社団法人日本自動車工業会が2016年度に行った都道府県教育委員会(県教委)への調査によると、原付免許を保有している生徒が多い上位3県は、①茨城県(4,814人)、②山梨県(3,073人)、③宮城県(1,992人)。また、原付通学が許可されている生徒が多い上位3県は、①鹿児島県(2,718人)、②茨城県(2,585人)、③山梨県(2,008人)という結果だった。
「三ない運動」を推進してきた群馬県や埼玉県の隣にあって、茨城県の高校生の原付利用の多さは全国でもトップクラスとなっている。これはどのような理由によるものか――。

原付通学許可校が多い茨城県

原付通学許可校が多い茨城県

原付利用を認め安全教育を実施する方針

茨城県教育庁学校教育部保健体育課では、高校生に対する二輪車利用の方針について次のように説明する。
「本県は昭和56年に教育長通知を出し、高校生徒には自動二輪免許を取得させないよう指導しています。しかし原付免許については規制せず、原付通学の可否は、各学校が地域の実情に合わせて判断しています」
茨城県は、生活圏が県全域に広がっており、そこに高校が点在している。このため鉄道など公共交通網が十分に行き届かない地域も多い。
「駅が遠いなどの理由から、毎日マイカーで送り迎えしてもらっている生徒も少なくありません。通学にかかる家庭の負担は大きく、原付通学を許可する学校が多いのも、そうした交通事情が影響しています」

地域によりマイカー送迎や原付通学を認める学校が多い

地域によりマイカー送迎や原付通学を認める学校が多い

こうした状況にあって、県立高校(全日制)93校のうち、原付の免許取得を禁止している学校は7校(7.5%)と、他県に比べてかなり少ない。“条件付き許可”が81校(87.1%)で、“制限していない”が5校(5.4%)となっている。また、原付通学を許可している学校は72校(77.4%)もある。
県教委としては、運転実技を含めた安全教育をしっかり行うことが望ましいと考えているため、生徒に対する安全教育として、毎年10校程度を選定し、自動車教習所での原付講習を受けさせている。選定から外れた学校も、警察や交通安全協会の協力を得て独自に原付講習を行うなど、安全教育に熱心な学校が多い。県教委および学校、地域の機関・団体の協力が、県内高校生の原付利用を支えてきたといえる。

原付通学は現実的な選択肢――つくば工科高等学校

つくば市にある茨城県立つくば工科高等学校は、生徒数が約560人の工業高校で、近年、原付通学を解禁した。生徒指導担当の先生は、「本校は、工業高校の特色を前面に出し、積極的に入学希望者を募っているため、県内の広い範囲から生徒が通ってきます。しかし駅から学校までが遠いため、通学環境は楽ではありません」と話す。
周辺の主要駅は、つくばエクスプレス「みどりの」駅(学校まで約2.5km=徒歩30分)と、JR常磐線「牛久」駅(学校まで約10km=自転車40分)。「少子化が進むなか、入学希望者を増やすことがどの学校でも大きな課題になっています。その問題を解消するアイデアの一つが原付通学の解禁だったのです」とのこと。保護者にアンケートを取ったところ大きな反対もなく、同校は平成25年度から生徒の原付通学を許可している。ただし、許可を受けられるのは2年生以上とされており、自宅から学校までの距離が8km以上であることなど条件がある。そうした条件をクリアして、現在18人の生徒が原付で通学している。

バイク通学を解禁した「つくば工科高校」

バイク通学を解禁した「つくば工科高校」

■原付通学で授業への集中力が変わった
3年生の男子生徒は、自宅から学校まで18km。「自転車だと必死で漕いでも、片道1時間かかります。朝から汗だくでぐったりです。原付通学なら片道30分で、楽々というか、登下校するのが楽しい! 体力にも気力にも余裕があるので授業に集中できます」と話す。

■バイクを通じて親との会話が増えた
通学距離が20kmの3年男子は、原付通学するまでは親に送迎してもらっていた。「原付通学が許可されて、父は喜んで新車を購入してくれました。車体にキズをつけたりしないように大事に扱っています。メンテナンスも父と一緒にやったりして、バイクを通じて親との会話がだいぶ増えた」と話す。

同校では、「今後も原付通学は必要となる。学校独自の安全教育も検討していく」ということだ。

200人近い生徒が原付通学――玉造工業高等学校

行方市にある茨城県立玉造工業高等学校は、在籍する生徒497人のうち、189人(38%)が原付で通学している。朝8時20分を過ぎると、子供を送る保護者の車と原付で登校する生徒が途切れることなくやってくる。

原付は高校生の大切な交通手段

原付は高校生の大切な交通手段

生徒指導担当の先生は、「本校は、公共交通機関が乏しいという通学環境もありますが、バイク利用に関する基本方針は“乗せる指導”です」と話す。卒業生の7割は就職し、社会に出ればすぐにクルマの運転が必要になる。交通社会のルールやマナーを原付の安全運転を通じて学ばせ、クルマに移行する際にも戸惑いがないように指導しているという。
このため同校では、通学距離が短い生徒も原付通学が可能だ。希望者は1年生のうちから誰でも申請でき、学校が毎月実施している「バイク講習」を受講した者から通学許可が下りる。
特筆すべきはこの「バイク講習会」で、校内にある職員用駐車場を使い、ラインを引きパイロンを置いて講習コースを作っている。運転指導も教職員が協力しあって務めており、まさに学校独自の手作り講習会。わずかな時間の講習だが、生徒のスキルを把握でき、継続的にフォローアップするなど教育効果は大きいという。

毎月行っている「バイク講習会」

毎月行っている「バイク講習会」

■機械としてのバイクに興味が湧いてきた
鉾田市から約10kmを原付で通う3年生の女子生徒は、「私バイクが大好きなんです。はじめは2ストと4ストの違いもわかりませんでしたが、だんだん車両の構造に関心が湧いてきて、卒業後は二輪整備士を目指します! おかげで機械科の授業が面白いし、家に帰ってもバイクの整備をやったりして、朝から夜まで毎日が楽しい」と、笑顔を見せた。

■通学にかかる家庭の負担が大きく減った
小美玉市から通う3年男子は、以前スクールバスを利用していた。「バスの料金は片道500円なので、通学費が1日1,000円かかっていました。親の負担が大きいため、バイク通学に切り替えました。親に心配をかけないように、とにかく安全運転を心がけています。原付の費用は1カ月5,000円程度で済んでいるので、すごい節約になっていると思います」と話していた。

JAMA「Motorcycle Information」2017年7月号特集より
本内容をPDFでもご確認いただけます。
PDF:茨城県の安全教育

軽二輪(250ccクラス)市場活況! スポーツタイプとアドベンチャー

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●2017年上半期(1~6月)、軽二輪の販売が好調。

●スーパースポーツタイプと、アドベンチャータイプが新しい需要を生んでいる。

●一過性のブームで終わらない骨太な需要拡大が期待される。

軽二輪市場に生まれた2つの潮流

軽二輪カテゴリーは2000年半ばまで便利な都市モビリティとして大きな需要があった。しかし、都市部の駐車場不足と世界的な景気後退で需要が減少し、厳しい販売環境が続いていた。

自動二輪車の販売台数の推移(各年1~6月)

●自動二輪車の販売台数の推移(各年1~6月)

しかし2017年上半期は、2010年以降において最大の販売台数となり、前年同期比で119.9%となった。この活況は、国内各4社が、この約10年間で製品開発し、ジャンルを築いてきた250㏄クラスのフルカウルスポーツの存在が大きく寄与している。
また、さらに注目したいのが、ホンダ、カワサキ、スズキが続々と新発売した250㏄クラスのアドベンチャーモデル。これは、オンロードとオフロードの中間特性を持っていて、レジャー機能が高く、ツーリングに適したモデルだ。
軽二輪市場に発生したスーパースポーツとアドベンチャーの2つの潮流。その人気がどこからくるのか、各社製品の周辺を探ってみた。

カワサキ初の軽二輪アドベンチャー「VERSYS-X 250」

●カワサキ「VERSYS-X250ABS TOURERタイプ」

●カワサキ「VERSYS-X250ABS TOURERタイプ」

2017年3月15日、カワサキから新開発の「VERSYS-X 250」が発売された。同社初となる250ccクラスのアドベンチャーモデル。メーカーの予想を上回る売れ行きで計画台数を完売、大ヒットとなっている。
同モデルの開発プロジェクトリーダーは、「アジアや日本では250ccクラスが重要なカテゴリーです。そのクラスで本格的なツーリングに使えて、アドベンチャーを楽しめるバイクができないだろうかと。ゼロからのチャレンジでしたから、やり甲斐がありました。」と、振り返る。
さらに、「開発に当たっては、荒れた道にも躊躇なく入っていける走破性と、長距離を移動できる快適性、荷物を積んでアウトドアを楽しめる機能性、この3つをトータルで高めました。走りも重視していますから、ワインディングを走るのも楽しいバイクです」と、トータルな性能に自信をみせる。
大型のアドベンチャータイプは世界的に人気だが、250㏄ならばその半分の価格でいつでも気軽に乗り出せる。憧れのアドベンチャータイプが、すぐ手の届くところに現れた。現実的かつ新しい魅力をこのバイクは持っている。

試乗会を沸かした! スズキのアドベンチャー「V-Strom250」

●スズキ「V-Strom250」

●スズキ「V-Strom250」

スズキのニューモデル試乗会は、真夏の暑さもいとわず、大勢のライダーで賑わっていた。とくに、7月6日に発売された軽二輪アドベンチャー「V-Strom250」の順番待ちは、長蛇の列だった。
試乗を終えたばかりの若い男性2人に感想を聞くと、「コレ、すっごい走りがいい!」、「トルクがあって加速がスムーズ。楽しかった!」と、興奮気味。
普段、1,400ccに乗っているという30代の女性は、「スタイリングがカッコいいから、これは街でおしゃれに乗りたいですね。パニアケースを付ければ買い物にも便利そう」と話していた。
スズキの「V-Strom」といえば、650㏄モデルと1,000㏄モデルが共に人気だが、ツーリングでの快適性だけでなく、日常的な扱いやすさを盛り込んだのがこの「V-Strom250」だ。燃料タンクは17リットルで、このクラスとしては大容量。燃費もよく、満タンにすれば無給油で500kmは走行できそう。
スズキ二輪の広報担当者は、「タフなギアを連想させるヘッドランプなど、アウトドア感あふれるデザイン。アドベンチャーならではの積載性がありますから、荷物を積んでどんどん遊びに出かけてほしいバイクです」と話していた。

ホンダが誇る250ccスーパースポーツ「CBR250RR」

●ホンダ「CBR250RR」

●ホンダ「CBR250RR」

2017年5月12日、ホンダから新設計の軽二輪スーパースポーツモデル「CBR250RR」が発売された。新設計の250cc・2気筒エンジンを搭載し、すべてにおいてクラスナンバーワンを追求したホンダの自信作。
発表後3日目には年間販売計画台数3,500台を超える受注を達成。ホンダモーターサイクルジャパンの国内営業担当者は、「この反響こそ、本物の手ごたえだと思います。街で目を引く洗練されたデザインが、たいへん好評です。購入者は20代が最も多く、これからの二輪車市場を盛り上げていく若い層からの支持が大きいことに、心強さを感じています」と話す。
バイクには最高速、トルク、コーナリングなど、性能にはいろいろなモノサシがあるが、この「CBR250RR」は数字だけを目標にせず、操る楽しさをいかに体感できるか追求している。街乗りからツーリングまで、どんなシチュエーションでもファンライドが楽しめるとのこと。
また、このクラスでは初めて「スロットル・バイ・ワイヤシステム」を搭載するなど新技術にも意欲的で、このシステムを活かして3つのライディングモードを選択できる。1台で3通りのキャラクターを楽しむことができるという。

20代に大人気のヤマハ「YZF-R25」

●ヤマハ「YZF-R25」

●ヤマハ「YZF-R25」

ヤマハの軽二輪スーパースポーツ「YZF-R25」が国内発売されたのは、2014年10月。翌年の軽二輪クラスで販売台数1位となり、2016年、2017年上半期も、軽二輪スポーツバイク部門のトップランナーとして市場を賑わせている。
そしてこのバイクの購入者の約50%が20代。また、新規購入のケースが70%にのぼり、“新規エントリー層”を拡大している注目のモデルなのだ。
ヤマハ発動機販売の広報担当者は、「圧倒的にデザインのカッコよさが、若い世代の心を掴んでいます」と話す。そして、乗ってみてわかるのが「軽さ」。軽量かつスリムで、走るのが楽しい。「毎日乗れる、スーパーバイク」というキャッチコピーの通り、家の駐車場からパッと出て、学校に行ったりバイト先に行ったり、「YZF-R25」ならば、日常のコミューティングが楽しいものになる。
もちろん、ツーリングに出かけたり、サーキット走行にもチャレンジできる幅広いポテンシャルが備わっている。いろいろなシーンで走りの魅力を味わえるヤマハ自慢の250ccスポーツだ。

JAMA「Motorcycle Information」2017年8月号特集より
本内容をPDFでもご確認いただけます。
PDF:軽二輪市場活況

バイクラブフェスタ(9月17日)駐車場案内

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■一般乗用車でお越しの方へ
お近くの周辺駐車場をご利用下さい。
公園内駐車場は、2輪車優先となっており、大変混雑いたします。

■2輪車でお越しの方へ
公園内駐車場は一部専用駐車場がございます。
満車の場合は、お近くの周辺駐車場をご利用下さい。

■ご注意
公園内駐車場・付近の駐車場は大変混雑が予想されます。お時間に余裕を持ってお越し下さい。また、ご来場の際は、可能な限り公共交通機関をご利用下さい。

【前橋公園】
住 所 :〒371-0026 群馬県前橋市大手町三丁目
交通案内:JR前橋駅より徒歩30分。上毛電鉄中央前橋駅より徒歩20分。
群馬中央バス・日本中央バス・関越交通バス「前橋公園」下車、3分。マイバス「北循環10・臨江閣前」下車、1分

バイクラブフェスタは予定通り開催します

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2017.9.15 15:00~
17日(日)のバイクラブフェスタは予定通り開催が決定いたしました。
しかしながら、当日の天候状況により、ステージイベント及びその他プログラムを早めての進行となる可能性がありますので、あらかじめご了承ください。

バイクラブフェスタ

バイクラブフェスタ

安心してバイクに向き合える! 女性に優しい二輪車教習所

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●女性ライダーの割合は男性に比べてまだまだ少ない。

●運転への苦手意識が女性をバイクから遠ざけている。

●女性に優しいと評判の二輪車教習所を訪ねてみた。

女性ライダーを応援します!――伏見デルタ

京都市伏見区にある「伏見デルタ」は、二輪専門の教習所。2月の平日に訪ねてみると、コース上には多くの教習生がいた。何人か女性の姿もある。総務部長は「ピークは3月。今日はまだ少ないほう。遠い他県からもやって来て、合宿で免許を取る学生さんもおられます」という。京都を観光しながら免許を取得できるとあって、北海道から沖縄まで、教習生は全国から集まるそうだ。

学生の教習生が多い(伏見デルタ)

学生の教習生が多い(伏見デルタ)

同校における女性の教習生の割合は約1割。「女性は20~30代が中心ですが、最近は親の勧めで入校する10代の女性が増えています。原付に乗りたい女子高生が、親から『ちゃんと習って自動二輪に乗りなさい』と言われて小型限定を取りに来たりします」という。

伏見デルタのWebサイト

伏見デルタのWebサイト

この日教習を受けていた女性に、教習の感想を尋ねると、「運転することに自信がなかったので初めは勇気がいりましたが、教官が優しく接してくれるのでがんばっています」と話す。
同校のWebサイトには、「女性ライダーを応援します!」というコーナーがあって、女性たちの教習シーンを紹介した動画が30本以上アップされている。「動画を見て、あの雰囲気なら大丈夫そうと思った」という教習生もいて、入校の後押しになっているという。

不安解消は「第1段階」がカギ――狭山モータースクール

埼玉県狭山市にある「狭山モータースクール」は、卒業してからも参加できる「二輪道場」や「ペーパーライダースクール」といった講習会を実施したり、「ツーリングクラブ狭山」を作って卒業生を集めてツーリングも楽しんでいる。免許を取得したら終わりでなく、取得後のアフターフォローに力を入れることで、“安心してバイクを楽しめる教習所”という特色を打ち出している。

マンツーマンで指導も選べる

マンツーマンで指導も選べる

同校では、「バイクに乗れるか心配」という女性のために「レディースコース」という教習プランを用意している。これは、教習の「第1段階」をインストラクターにマンツーマンで指導してもらえる。また、女性専用車両が使用できるという特典も付いている。
フロントサービス統括部の担当者は、「多くの女性は、運転操作や車両の取り回しを習う“第一段階”を苦手にします。そこを1対1で丁寧に教えるので、自信のない女性も安心してバイクに向き合うことができると思います」という。
この日、大型二輪の教習を受けていた女性は、「普通二輪免許を取りに来たとき、初めはバイクが怖くてドキドキしたのを覚えています。でも実際通ってみたら教習は楽しくて、最初の不安は無用でしたね」と話し、いまは余裕しゃくしゃくの様子だった。

体格や力の弱さは克服できる―阪神ライディングスクール

兵庫県尼崎市にある「阪神ライディングスクール」は、誰もが安全に教習できる」をモットーにする二輪専門の教習所。教習プランに“レディースパック”を設けたり、低シート車を導入したり、女性専用の休憩室を用意するなど、きめ細かな配慮をしている。入校者の約3割は女性だという。卒業した女性から、新しくバイクに乗りたいという女性へと、口コミで信頼感が広まっている。
同校の女性インストラクターは、「男性に比べて、女性は体格が小さくて力が弱いですから、バイクに跨ったときに足着きが不安という人、倒れたバイクを起こせないという人が大勢います。でも、コツを覚えて慣れてしまえば、ほとんどの人が大丈夫」という。

この足着きでも慣れれば問題ない

この足着きでも慣れれば問題ない

そこで、身長147cmのインストラクターに、低シートにした女性用の教習車に跨ってもらった。「私でも両足がなんとか着くし、片足さえうまく着けるようになれば問題ありません」とのこと。また、倒したバイクを起こしてもらったが、たいした力もかけずに難なく持ち上げた。「小さな体格でもインストラクターをやれるんですから、私を見て励みになる方もいるようです」と、話してくれた。

倒れたバイクも……

倒れたバイクも……

体格や腕力に不安があって、教習所の門をくぐる決心がつかない女性は少なくない。しかし、ここで紹介している二輪教習所では、入校する前に教習車に跨ってみたり、倒れたバイクを起こしてみるなど、事前の体験は大歓迎という。心配な人は、ぜひ相談してほしいということだ。

コツがわかれば簡単に持ち上がる

コツがわかれば簡単に持ち上がる

女性限定の合宿免許が大好評――大佐和自動車教習所

千葉県富津市にある大佐和自動車教習所では、女性限定の合宿免許を行っており、県内以外にも首都圏から大勢の教習生が集まってくる。女性に限定していることで、女子高生や女子大生本人にはもちろん、親が安心して娘を送り出せるということで人気があるわけだ。

女性限定で安心の合宿免許

女性限定で安心の合宿免許

教習所が運営している宿舎は3棟に各14部屋あり、2人ずつ入居できるため、最大で84人が合宿可能。ハイシーズンには近隣の民宿も女性専用で借り切り、20人程度は追加で受け入れが可能という。

女性のニーズに合わせた宿舎

女性のニーズに合わせた宿舎

同校では、「春は四輪免許のために合宿する学生でいっぱいですが、シーズンが落ち着けば、バイクの免許を取りたい女性たちに、合宿免許は快適だと思います。お母さんと娘さんとか、友だち同士とか、一緒に合宿して二輪教習を受ければ楽しいと思います」という。二輪免許を取得するのを一つの“レジャー”と捉えれば、房総の海に滞在してリゾート気分で教習をこなすという選択肢は、大いにありだ。

女性の普通二輪免許取得状況

●女性の普通二輪免許取得者の推移

※警察庁「運転免許統計」より免許交付件数(新規免許と併記免許の合計、失効新規を含む)

※警察庁「運転免許統計」より 免許交付件数(新規免許と併記免許の合計、失効新規を含む)

最後に、警察庁の『運転免許統計』(現在の最新は2015年の数字)をもとに、女性の二輪免許取得状況についてみてみたい。
2015年1年間のわが国の普通二輪免許の交付件数は男女合わせて17万6,076件。このうち女性への交付件数は2万7,030件で、全体に占める割合は15.4%となっている。
二輪免許を取得する女性の割合は明らかに少ないが、言い換えれば、今後の“ノビシロ”は大きいともいえる。女性ライダーの拡大はこれからだ。

★JAMA「Motorcycle Information」2017年3月号特集より
本内容をPDFでもご確認いただけます。
PDF: 女性と二輪車教習所

BIKE LOVE FESTA in 群馬・前橋 報告

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BIKE LOVE FESTA in 群馬・前橋 報告

■開催日時   平成29年9月17日(日) 10時00分~15時00分
■場所     前橋公園(群馬県前橋市大手町3丁目-16-1)
■天候     雨
■来場者    1,631名
■実施状況   台風18号の影響により、9/15金の午後3時時点の天気予報は、降水確率90%、風速は1-2mだった。しかしながら地元群馬県、前橋市の協力のもと、BLF団体が初めて実施するバイクイベントで、また協賛をいただいた出展社様の期待に応えるべく、開催することとなった。
当日は天気予報通り、残念ながら、朝から弱雨が降ったため、ステージ登壇者に協力をいただき、イベントの進行を早め、15時に終了をした。
雨天のため、首都圏からのツーリングユーザーの来場は少なかったが、地元の方々が四輪で来場くださり、会場駐車場は満杯となった。
来場いただいた方には、大変感謝申し上げます。有難うございました。

■プログラム
・ステージイベント
古澤恵さん
ステージイベントMC(古澤恵氏)

10:10~10:20 マスコットキャラクター観光PR
マスコットキャラクター

11:00~11:10 群馬県警による、交通安全指導
群馬県警交通安全指導1
群馬県警交通安全指導2
11:10~11:20 青木宣篤氏トークショー
青木宣篤氏トークショー1
青木宣篤氏トークショー2

11:30~12:00 MOTORISEトークショー(中野真矢氏、下川原利紗氏)
MOTORISEトークショー1
MOTORISEトークショー2

12:10~12:30 あかぎ団ライブ
あかぎ団1
あかぎ団2
12:40~13:10 BLFトークショー(宮崎マヒト氏、岸田彩美氏)
BLFトークショー1(宮崎マヒト氏、岸田彩美氏)
BLFトークショー2(宮崎マヒト氏、岸田彩美氏)

13:40~14:10 豪華賞品争奪!じゃんけん大会
豪華賞品争奪!じゃんけん大会1
豪華賞品争奪!じゃんけん大会2

・外周道路

10:00~15:00 実車シミュレーター体験
10:00~15:00 地元名産品・飲食販売(ぐんまうまいも市)及び物販
ぐんまうまいも市
外周道路物販
10:30~10:50(1回目)、13:20~13:40(2回目) 野本佳章氏トライアルイベント
野本さんトライアル1
野本佳章氏トライアルイベント2

・芝生広場

10:00~15:00 バイク用品・即売会
バイク用品・即売会1
バイク用品・即売会2
10:00~15:00 親子deものづくり
10:00~15:00 関係団体ブース
関係団体ブース1
関係団体ブース2

・御影石広場

10:00~15:00 国内外の二輪車展示
国内外の二輪車展示1
国内外の二輪車展示2

・その他

11:00頃の芝生広場の様子
11:00頃の芝生広場の様子

13:00頃のステージ前の様子
13:00頃のステージ前の様子


BIKE LOVE FORUM in 群馬・前橋 報告

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BIKE LOVE FORUM開催実行委員会 (二輪関係団体や国、地方自治体で構成)は、本年9月16日(土)群馬県前橋市にて、「第5回 BIKE LOVE FORUM in群馬・前橋 」を開催しました。
群馬県は2014年交通安全条例を制定していることもあり、今後の二輪車交通安全活動のあり方、二輪車の市場活性化、地域振興との関わりなどについて議論を行いました。

開催報告はこちらから

47都道府県・代表ライダーの声 バイクに乗る女性を増やすには?

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●今年も8月に「二輪車安全運転全国大会」が開催された。

●47人の女性クラスの選手全員に、アンケートを試みた。

●女性ライダーを増やすにはどうすればいいか、ヒントを探った。

安全運転全国大会・女性クラスの選手像は?

今年の「二輪車安全運転全国大会」に出場した女性クラス選手の年齢は、20代から50代と幅広い。最年少は20歳、最年長は53歳だった。彼女たちが二輪免許を取得した年齢は、24歳までの若い時期に集中していることがわかった(35人・77.8%)。25歳を過ぎると免許取得の機会が急速に遠のくようだ。
神奈川県の代表選手は、「ずっとバイクに憧れていたけれど、若いときは出産と子育てで乗れなかった」と話す。同選手は43歳で二輪免許を取得、今大会は5位に入賞した。

■女性クラス年齢構成

■女性クラスの年齢構成

■女性クラス選手の免許取得年齢構成

■女性クラス選手の免許取得年齢構成

選手の身長を調べてみた。143cmから178cmまでと体格差は大きい。平均身長は158.1cmで、155~164cmの範囲に32人(68%)が含まれている。女性ライダーはバイクに跨ったときの「足着き」を気にするが、47人の回答を分析すると、身長160cm以上になると「足着きにはとくに困らない」というライダーが多くなることがわかった。
「足着きには常に不安がある」と話す埼玉県の代表選手(41歳)は、「私は小柄なので小型限定の免許を取得しましたが、教習を修了するたびにステップアップを勧められ、けっきょく大型二輪免許まで取りました」と話す。普段は100ccのスクーターを楽しんでいる。今大会、女性クラス準優勝のライダーだ。

■女性クラス選手の身長構成

■女性クラス選手の身長構成

普段はどんなバイクライフ?

女性クラスの選手の所持免許を調べた結果が次のグラフ。競技は原付で行うが、選手自身は大型二輪免許の保有率が高く、28人(59.6%)いた。一方で、二輪免許を取得していない選手も2人(4.2%)いた。

■女性クラス選手の保有免許構成

■女性クラス選手の保有免許構成

沖縄県の代表選手は、普段は1,300ccのスポーツバイクに乗る。「原付スクーターも奥が深いですよ。原付で学んだことが大型バイクのライディングに役立ってます」と話す。熊本県の代表選手は二輪免許を持っていない。「高校が原付通学だったので原付免許はあります。二輪免許を取得したいけど、仕事に追われて時間が取れないのが悩みです」と話していた。
さらに選手たちが普段乗っているバイクを調べると、原付から1,600ccの超大型まで、種類はじつにさまざま。なかでは250ccクラスが14人(29.8%)でいちばんボリュームがあり、ここが中心クラスといえそうだ。

■女性クラス選手の愛車の構成

■女性クラス選手の愛車の構成

使用用途は、やはり「ツーリング」がトップで、24人が筆頭に挙げている。次点は「ライディング講習会」で8人おり、彼女たちにとっては、運転のスキルアップ自体がバイクの楽しみとして成り立っているようだ。

■二輪車の利用用途

■二輪車の利用用途

なぜバイクに乗ろうと思ったか?

そうした彼女たちがバイクに乗るようになるまで、“バイク”にどのようなイメージを抱いていただろうか。回答を見ると「カッコいい」が10人、「趣味の乗り物」が9人と、好印象を持っていた人が多い。続いて、「カッコいいが近づき難い」が8人、「自分には縁がない」が5人、「危ない乗り物」が5人などとなっている。バイクに対して好印象を持つ一方で、事故などへの不安で距離を置く様子も見える。

■二輪車に抱いていたイメージ

■二輪車に抱いていたイメージ

では、バイクに乗るリスクを知りつつ、なぜ彼女たちはバイクに乗ろうと決めたのか、その理由を尋ねた結果が下のグラフ。実用目的を押さえて、「乗れたらカッコいいから」が13人でいちばん多かった。バイクに乗っている自分はカッコいいという自己実現への欲求が、強い動機になっていることがわかる。

■二輪車に乗ろうと決めた理由

■二輪車に乗ろうと決めた理由

北海道の代表選手は自動車教習所の職員。「バイクは事故が怖いし、危ない乗り物だと考えていました。ところが教習所に勤めて毎日バイクを眺めているうちに、だんだん“楽しそうな乗り物”へと見方が変わったんです」と、イメージの変化が免許取得の決め手になったと話す。
宮城県の代表選手の場合、「バイクはカッコいいが、近づき難い乗り物」だった。東日本大震災を経験して人生が燃え尽きたような気持ちになり、「自分を変えたい」と二輪免許を取得。いまは、1100ccの大型バイクを颯爽と乗りこなす自分がいる。これも自己実現の一つのケースだろう。

バイクに乗るまでのハードルは何か?

ただ、女性がいざ二輪免許を取得しようと決意しても、立ちふさがる障壁は少なくないようだ。バイクに乗るまでに何らかのハードルを感じたという人の回答を見ると、「周りからの反対」11人、「事故が怖い」8人、「出産・子育て」4人、「運転に自信がない」3人、「足が着かない」3人など、女性特有の事情も垣間見える。

■二輪車に乗るまでの障壁

■二輪車に乗るまでの障壁

群馬県の代表選手は、「周りからの反対」の一つに高校のバイク禁止を挙げた。「学校から禁止されると、とくに普通の女の子にとっては、バイクは興味をもってはいけないものとして刷り込まれます」と話す。高校のバイク禁止は、その後の人生でも女性をバイクから遠ざけているという指摘だ。同選手は、「群馬県は“三ない運動”をやめたので、やっと若い子にバイクの乗り方を教えられる」と、嬉しそうにしていた。

バイクに乗る女性を増やすには?

日本ではバイクに乗る女性が少ない。「出産・子育て」など男性とは異なった生活があるだけでなく、「周りからの反対」など社会的なプレッシャーが、本来あるべきエントリーを狭めている可能性がある。では、どうすればもっと日本に女性ライダーが増えるだろうか。そのためには何が必要か、選手たちに尋ねてみた。
最も多かった回答は、「女性がバイクに触れる機会を増やす」(15人)というもの。教習所でバイクを見ているうちに乗りたくなったという意見があったように、実際にバイクに触れる機会があると、それが大きな動機づけになる。
島根県の代表選手は、「もっと気軽にバイクに跨れる機会があれば、乗ってみたいと考える女性は大勢いると思います。ただその際、女性はお金にシビアなので、バイクにどれだけ費用がかかるか情報がほしい」と話す。
次に多かった回答が、「バイクへの安心感を高める」(12人)というもの。これは事故への心配や、運転に自信がない不安をいかに払拭できるかということだろう。

■女性ライダーを増やすには?

■女性ライダーを増やすには?

山形県の代表選手は、「安全運転をもっと気軽に学べる環境があるといいですね。講習会がもっと身近に開催されていれば、周りの人たちからも安心してもらえるようになるのでは」という。
「女性向けのバイクを開発する」(9人)という意見も多かった。大分県の代表選手は、「女性は足着きを気にするので、ちょっと小型でかわいくてカッコいいデザインのバイクがあると女の子たちの目を引くかもしれません」と話していた。
バイクに対する女性の需要拡大は、これからの大きなテーマだ。

JAMA「Motorcycle Information」2017年9月号特集より
本内容をPDFでもご確認いただけます。
PDF: 安全大会女性ライダーアンケート

電動バイク本格普及に向け ホンダとヤマハの取り組み

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●自動車のEVシフトは、バイクの世界にも影響している。

●電動バイクの性能は進化しているが、普及には課題もある。

●ホンダとヤマハが共同で、本格普及のための取り組みを開始した。

環境意識の高まりに応える電動バイク

電動バイクの普及に向けた取り組みは、さいたま市と、ホンダ、ヤマハの3者で組織する「電動二輪車実証実験推進協議会」が行っている。
今年9月2日~3日、さいたま市見沼区役所で、電動バイクの実証実験(利用モニター)に応募した市民(定員30人)に車両の引き渡し説明会があった。
さいたま市では2009年から電気自動車(EV)の普及プロジェクトを推進しており、市内にEV用の充電スタンドを設置したり、公用車にEVを導入するなど取り組んでいる。今後は電動バイクの普及にも力を入れていく考えだ。
一方、ホンダとヤマハは電動バイクの製造実績があり、それぞれ技術を蓄積してきたライバル企業同士。しかし昨年10月、両社は原付一種に関する協業を発表し、その取り組みの一つとして「電動バイクの普及への協働」を掲げた。今回の実証実験は、原付一種領域におけるホンダとヤマハによる協業の記念すべき第一弾ということだ。

電動バイクのモニター説明会が開かれた

電動バイクのモニター説明会が開かれた

ヤマハの担当者は、「2015年の国際会議で成立した『パリ協定』以降、世界の環境意識は急速に高まっており、自動車をEVへシフトさせようという強力な力が生まれています。電動バイクについても、コミューターとして十分な航続距離、充電時間、製造コストの課題など、メーカーの枠を超えた協力によって乗り越え、普及を図りたい」と話す。

駐輪場でバッテリー交換サービスを実施

今回の実証実験では、電動バイクの使用感についてモニターの感想を集めるほか、使用頻度や走行距離などの状況を把握することで、電動バイクのもつ実用性を確かめ、次のステップへつなげようという狙いがある。また、一つのアイデアとして駅の駐輪場でバッテリー交換サービスを行い、それが電動バイクの利便性をどれだけ向上させるか調べているところだ。
このためモニターが通勤などで利用する駐輪場は指定されており、駐輪場の係員がバッテリーの交換と充電を随時行ってくれる。このサービスによって電動バイクの利用が快適になれば、市内にある駐輪場などを今後の有効な充電インフラとして検討できるわけだ。
ホンダの担当者は、「充電にかかる手間と時間は、電動バイクを普及させる上での課題です。しかしこの仕組みがあれば、ユーザーにかかる不便がほぼ解消されます。これによってユーザーが電動バイクをどう受け入れるか、その反応が非常に気になります」と話している。

電動バイクを試乗した反応は?

説明会を終えたモニターは、次々と電動バイクを試乗した。走り出すとみんなニコニコして、新しい感覚に触れたときの愉快そうな笑顔になる。若い男性モニターは、「走りが軽快で、面白いですねコレ」と興奮気味。「私は新しいモノ好きで、電動バイクの経済性に興味があります。ガソリン車よりも経済的なら、ぜったい電動バイクを選びます」という。
バイクを運転するのが初めてという女性もいた。バイクの音が静かなことと、モーターによるスマートなパワー感のおかげで、「ぜんぜんコワくないし、抵抗なく運転できました」と嬉しそう。ソフトな感覚で安心して乗れる電動バイクは、女性にとって親和性が高いようだ。これまで原付一種に興味がなかった人でも、「電動バイクならば」とエントリーしてくる可能性もある。電動バイクの普及は、原付一種の市場に新しい需要を生み出すカギともいえそうだ。

モニターの人たちが電動バイクを試乗した

モニターの人たちが電動バイクを試乗した

都市交通の効率化への期待も

さいたま市では、電動バイクの普及が低炭素社会の実現に寄与するだけでなく、交通空白地域の解消にも役立つと期待している。
同市の担当者は、「駅までのアクセスが比較的不便な区域で、かといって常に車が必要というほどでもないという交通空白地域があります。そうした地域のモビリティとして電動バイクが活用できるかもしれません。都市交通の効率化を図る点からも、電動バイクには役割が期待できそうです」と話す。
今後、さらに厳しくなる排出ガス規制に対応していくことを考えると、原付一種はガソリン車であることがどんどん難しくなるといわれている。パーソナルコミューターとしての原付一種のメリットを世の中に残していくためにも、電動バイクの普及は大きなテーマといえそうだ。

電動二輪車実証実験推進協議会のメンバー

電動二輪車実証実験推進協議会のメンバー

JAMA「Motorcycle Information」2017年10-11月号特集より
本内容をPDFでもご確認いただけます。
PDF: 電動バイク本格普及に向けホンダとヤマハの取り組み

早春トップインタビュー 2018年・市場への意気込み

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●春を迎え、2018年の国内二輪車市場が賑やかになる。

●メーカー4社の二輪部門トップにそれぞれインタビューを行った。

●国内・海外市場への展望、「EVシフト」への対応など尋ねた。

2017年の国内二輪車販売状況

日本のバイクメーカー4社、カワサキ・スズキ・ホンダ・ヤマハの各二輪車部門トップにインタビューを行った。国内・海外の二輪車市場を踏まえ、この春に注目すべき製品や需要拡大への展望を聞く。また、世界的なEVシフトが加速するなか、二輪車への影響はあるのか、各社の考えを尋ねた。
まず、2017年の国内二輪車販売実績を振り返る。
カテゴリー別にみて、2017年の原付一種(50cc以下)の販売実績は前年比107.5%と増加に転じた。

●2010~2017年原付一種販売推移
※原付一種の販売台数は工場出荷台数(日本自動車工業会調べ)
※原付一種の販売台数は工場出荷台数(日本自動車工業会調べ)


自動二輪車(50cc超)についてみると、全体では前年比99.3%で昨年並み。カテゴリー別では、原付二種(50cc超~125cc以下)が87.5%、軽二輪(125cc超~250cc以下)が121.9%、小型二輪(250cc超)が100.7%。軽二輪は過去9年間で最高の販売実績となった。

●2010~2017年自動二輪車販売推移
※原付二種の販売台数は工場出荷台数(日本自動車工業会調べ) ※軽二輪は届け出台数、小型二輪は新規検査台数(全国軽自動車協会連合会調べ)
※原付二種の販売台数は工場出荷台数(日本自動車工業会調べ)
※軽二輪は届け出台数、小型二輪は新規検査台数(全国軽自動車協会連合会調べ)

 

カワサキ●浅野 剛(あさの たけし)氏

川崎重工業(株)モーターサイクル&エンジンカンパニーバイスプレジデント
1956年 愛知県生まれ

03_浅野剛氏

【記者】 まずは浅野さんのご経歴と、バイクに関するエピソードをお聞かせください。
【浅野】 私はモーターサイクル部門は2010年からで、2013年にカワサキモータースジャパンに1年いました。ちょうど「Ninja 250」がヒットしたときで、販売の最前線は楽しい経験でした。プライベートでは50歳を過ぎてから二輪免許を取得したのですが、両手両足を使って気持ちを集中させて走ると、まさしく若さが戻ってくる気分になりますね。
【記者】 二輪車の製造、販売の両面を経験されているのですね。2017年の二輪車市場を振り返ってみてどんな感想を持ちますか?
【浅野】 昨年に限らず、ここ数年の推移をみると、軽二輪も小型二輪もそう悪くないですね。魅力的な製品が増えてきたのもあるけれど、当社の「Ninja 250」の人気をみても、生活のなかのファッションとして若者の心を捉えたのが大きいと思います。昨年は「インスタ映え」が流行語になりましたが、バイクもインスタ映えするアイテムとして、カッコいいイメージが広まっているんじゃないかな。
【記者】 浅野さんがとくにお勧めする新型車を紹介してもらえますか?
【浅野】 はい。普通二輪免許で運転できる最大排気量が400ccクラスなので、国内市場をみれば大事なカテゴリーです。当社はこの2月1日にフルモデルチェンジした新型「Ninja 400」を発売しました。新しい「Ninja 400」は、同時に開発した新型「Ninja 250」と同じ車体に400ccエンジンを載せています。つまり以前の「Ninja 400」と比べてかなり軽量化されており、非常にエキサイティングなバイクに仕上がったと思います。大型二輪免許は持っていないけれどファンライディングを楽しみたいという方や、リターンライダーにもおススメです。いまから反響が楽しみなバイクです。

カワサキ「Ninja 400」
カワサキ「Ninja 400」

【記者】 海外市場については、近年、気になる地域や国はありますか?
【浅野】 欧州の経済がだんだん上向いているし、政治的なリスクも少なくなったので、市場も悪くないですね。スペイン、イタリアなど南欧の経済情勢が改善してきて失業率も下がっているので、いっそうの需要回復を期待しているところです。もともと欧州はアドベンチャータイプが圧倒的に人気があるんですが、それに加えていまはネオレトロが流行になっています。いいバイクを作れば、きちんと評価して買ってくれる。欧州は、そういうやりがいのある市場なのです。
【記者】 近年、EVシフトへの関心が高まっていますが、浅野さんはどう捉えますか?
【浅野】 当然、対応は必要でしょう。当社ではまだ研究が始まったばかりとしか言えないのですが、人がモーターサイクルに求める魅力とは何なのか、マシンの音、加減速によるミッションの振動、そういった要素も大きい。それらを因数分解して、EVにしたときどんな答になるのか、そこは重要だと思っています。
【記者】 レジャー領域でのバイクを数多く生産しているカワサキだけに、もしEVバイクを作ったらどんな製品になるのか興味は尽きません。ありがとうございました。

スズキ●西河 雅宏(にしかわ まさひろ)氏

スズキ(株)二輪事業本部本部長
1957年 石川県生まれ

05_西河雅宏氏

【記者】 西河さんは開発部門が長かったそうですね?
【西河】 はい。いままでに油冷のスポーツバイクやオフロードの単気筒エンジン、Vツインエンジン、「隼」のエンジンの開発にも携わりました。最近のバイクづくりは、走行性能だけでなく、環境性能、経済性、デザインなど総合性能が要求されます。難しいけれどやりがいは大きいと思います。
【記者】 2017年の国内市場を振り返っていかがですか?
【西河】 やはり軽二輪が伸長したのは非常に心強いですね。当社はアドベンチャータイプの「Vストローム250」を投入したところ、約4割のお客様が新規購入者でした。これまではアドベンチャータイプといえば大型バイクというのが常識でしたが、それが軽二輪クラスであれば足が着きやすいし、取り回しも楽。「あきらめていた世界に手が届いた」というユーザーも多く、新しいジャンルのバイクとして手応えを感じています。
【記者】 そのほか2018年の国内市場に向けて、イチオシのバイクは何ですか?
【西河】 そうですね、当社の場合、原付二種ではスクーターに安定した人気があるのですが、それに加えて1月26日に125ccのスポーツモデル「GSX-R125 ABS」を新発売しました。「GSX-R1000」を頂点としたGSX-Rシリーズのスピリットが注ぎ込まれて、軽快かつスタイリッシュなデザインのバイクです。街乗りからワインディングまで胸がすくような走りを楽しめると思います。これも含め、今年の原付二種市場には大いに期待しています。

スズキ「GSX-R125 ABS」
スズキ「GSX-R125 ABS」

【記者】 いま運転免許(AT小型限定普通二輪)の簡便化が検討されていて、年内にも実現される可能性が高いと聞いています。そうした改正が追い風になれば、今年の原付二種市場には期待が持てますね。海外市場のほうはいかがですか?
【西河】 北米市場は、リーマンショック以前に年間100万台あった需要が約50万台にまで減っています。そういう市場に対してどのような商品を届けるかが難しいのですが、北米ではオフロードバイクに根強い人気があり、スズキとしてはこのようなカテゴリーを大事にしていくことが肝心だと考えています。
【記者】 北米市場にもまだまだ期待したいところですね。最後の質問ですが、西河さんは、EVシフトについてどんな考えをお持ちですか?
【西河】 ガソリンエンジンはもう100年以上も改良・改善が続いており、人類が手がけた非常に優れた工業製品ですから、一気になくなることはあり得ないと思うのです。
一方、当社の燃料電池バイクである「バーグマン フューエルセル」に乗ると、走行フィーリングはガソリン車とぜんぜん違います。走っても音がしないので鳥のさえずりが聞こえてきたりして、ガソリン車にはない面白味があります。将来的には、エンジンの世界と電動の世界が共存していくような方向になっていくのではないかと、私は予測しています。
【記者】 スズキの取り組みも進んでいるのですね。ありがとうございました。

ホンダ●安部 典明(あべ のりあき)氏

本田技研工業(株)二輪事業本部長
1962年 埼玉県生まれ

07_安部典明氏

【記者】 安部さんは海外が長いそうですね?
【安部】 私は1986年に入社して、20代でポルトガル、30代以降はブラジル、メキシコ、再びブラジル、そしてタイ。タイ以外は二輪にどっぷりでした。とくに若い頃にバイク文化が発達した欧州から大きな影響を受けました。また、ブラジルでは当時、生活の移動手段としてバイクが急速に普及していましたから、非常にエネルギッシュな市場を経験することができました。
【記者】 日本に戻ってから、国内市場についてはどう見ていますか?
【安部】 まず、低迷している原付一種ですが、2017年は前年実績を上回りました。しかし、2016年は熊本地震があって生産体制の影響もありましたから、市場の基調としては減少傾向だと見ています。駐車場不足や最高速度の30km/h規制、二段階右折など、利用環境の不便さが否めません。海外から日本に帰ってわかるのは、先進国で自転車がこんなに多い国は珍しいということ。つまりミニマムコミューターの潜在需要は大きいはずだから、原付の利便性や経済性が再び日本の交通社会で発揮できるように、カテゴリーのあり方も含めて位置づけを見直していく必要があると思います。
一方、軽二輪の販売が大きく伸びたことは非常に喜ばしいですね。当社の「CBR250RR」は予想以上の反響で大きな手応えがありました。軽二輪クラスのスポーツタイプは若い人たちの人気を獲得しているので、この傾向は大事にしていきたいものです。
【記者】 春の市場に向けて、話題になりそうなニューモデルはありますか?
【安部】 はい。ホンダのフラッグシップである「ゴールドウイング」を4月2日から国内で発売します。このモデルはとくに北米で人気を博していて、1975年から40年以上も続くロングセラーですが、17年ぶりにフルモデルチェンジして新登場ということになります。
新しい「ゴールドウイング」は、軽量・コンパクト化を図っており、走りの楽しさや操る楽しさがますます充実しています。デザインもさらに洗練されて、エッジのあるシェイプアップされたスタイリングです。4月からホンダの新販売網である「Honda Dream」が展開されるのですが、その看板製品として前面に押し出していきたいと考えています。

ホンダ「ゴールドウィング ツアー」
ホンダ「ゴールドウィング ツアー」

【記者】 海外市場ですが、近年のブラジルなど中南米はいかがですか?
【安部】 中南米は市場規模がいま約400万台となっています。ここ数年、ブラジルは政治の混乱などで市場が一気に後退しました。最近ようやく落ち着いてきて、もう少し雇用が安定して経済が上向けば二輪車の需要回復も期待できそうです。メキシコやアルゼンチン、コロンビアは堅調に推移しており、中南米の市場ポテンシャルは高いと思います。
【記者】 世界的なEVシフトの潮流についてもコメントをいただけますか?
【安部】 いま日本国内ではガソリンスタンドの閉店が増えて、何十キロも走らないと給油できない地域があります。そういった場所でも電気は通じていますから、もっとEV化を急いだほうがいいのかもしれない。一方、世界的にはアジアなど雨ですぐに冠水する地域もあって、そこでは本当にEVでいいのか疑問もあります。中国もインドもEV化への到達目標を掲げていますが、まだまだ時間のかかる問題だと思います。しかしながらメーカーとして対応できる技術は用意しておく必要があると考えています。
【記者】 昨年の東京モーターショーでは原付二種に相当する「PCXエレクトリック」も公開されましたが、市場に登場するのが楽しみです。ありがとうございました。

ヤマハ●渡部 克明(わたなべ かつあき)氏

ヤマハ発動機(株)代表取締役 副社長執行役員
1959年 愛知県生まれ

09_渡部克明氏

【記者】 渡部さん、ご経歴をご紹介ください。
【渡部】 私は生産技術が専門で、入社してからずっと製造畑です。42歳から50歳まではフランスとベトナムに4年間ずつ駐在して、2010年に日本へ戻ってきたのですが、その後も2013年まで製造一筋。53歳になって初めてMC事業を任されて、まさに奮闘です。今年1月からは副社長として全体を見ています。
【記者】 昨年の国内市場を見ますと、軽二輪が大きく伸長しましたが……。
【渡部】 軽二輪の好調は、原付二種からのシフトもあったのかなと思います。原付一種を除いた全体では前年並みに落ち着きましたからね。今後、さらに国内市場の拡大を図るには、若者や女性層に向けた新しい需要開拓が重要です。世界のなかで“ガラパゴス化”している原付一種のあり方も含め、車両区分や二輪免許の全体を点検して、国際的な基準調和を進めていく必要があると考えています。
【記者】 国際基準調和というと、欧州のスタンダードに近づけるということでしょうか。
【渡部】 そうですね、EUの免許制度など研究しているところです。
【記者】 この春、ヤマハではどんなニューモデルが話題になりそうですか?
【渡部】 ここ数年、250ccクラスのオートマチック(ビッグスクーター)があまり伸びていなかったので、その領域にチャレンジしたい。当社でいえばMAXシリーズという製品ラインアップがあって、530ccの「TMAX」、125cc・155ccの「NMAX」、そしてその中間に、先日(1月25日)、250ccの「XMAX」を新発売しました。
250ccのオートマチックは、コンパクトながらパワーもあるし、ゆったり乗れる快適さが魅力です。とくに「XMAX」は、走行性能と燃費効率のバランスが優れているので、趣味の領域でも実用の領域でもユーザーのニーズに応える製品だと思います。すでに予想を上回る受注を獲得しており、手応えを感じています。

ヤマハ「XMAX ABS」
ヤマハ「XMAX ABS」

【記者】 海外市場をみると、アジアが非常に好調のようですね。
【渡部】 いまインドが世界最大の市場で、1,800万台の規模があります。インドの販売シェアをいかに拡大するかがこれからの大きな取り組みになります。ほかにも、タイ、ベトナム、マレーシア、フィリピンなど、アセアン諸国の市場も活況を示しています。フィリピンではスクーターがどんどん増えていて、新車の総需要は前年比125%の勢い。不振が続いていたインドネシアも底打ち感が出てきたし、アジアの市場はホットです。
【記者】 急速に進んでいる自動車のEVシフトですが、二輪車にも影響はありますか?
【渡部】 四輪車のEVシフトは避けられないトレンドになっているし、そのスピード感も速くなっています。いずれ二輪車もその方向に行くというのは、想定しておかなければなりません。製品については各社が取り組むにしても、二輪車用の充電スタンドをどうやって普及させるのかなど、インフラ整備に関する課題も大きい。
そこで当社とホンダさんが協働して、昨年からさいたま市で電動バイクの実証実験に取り組んでいて、バイクを駅の駐輪場に駐車する際に、係員が充電済みのバッテリーに交換してくれるサービスを実施しています。そういうビジネスモデルが成り立つのかどうか、とても関心があるところです。
【記者】 これからEVバイクの話題からは目が離せませんね。ありがとうございました。

JAMA「Motorcycle Information」2018年1-2月号特集より
本内容をPDFでもご確認いただけます。
PDF:早春トップインタビュー

北海道・大阪・東京モーターサイクルショーが開催されます

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北海道モーターサイクルショウ

開催要項:http://hmg.or.jp/news/news.cgi?n=137
2018年3月10日(土)~11日(日)の2日間アクセスサッポロで開催
詳細は下記URLでご確認下さい。
HMGサイト:http://www.hmg.or.jp/

1-1

大阪モーターサイクルショー

2018年3月16日(金)~18日(日)の3日間 インテックス大阪で開催
詳細は下記URLでご確認下さい。
URL:http://www.motorcycleshow.jp/

320-64omcs

東京モーターサイクルショー

2018年3月23(金)~25日(日)の3日間 東京ビッグサイトで開催
詳細は下記URLでご確認下さい。
URL:http://www.motorcycleshow.org/

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